販売管理システムをクラウド化するメリットとは?
「クラウド」とは?
執筆者:株式会社船井総研ITソリューションズ コンサルティング部
中小企業の経営者の皆様に「クラウド」について話を伺うと、「言葉は良く見聞きするけど、意味は良くわからない..」、「クラウド(システム)は安いと聞いている」、「クラウドだと自社独自の仕様に対応出来ないので使い勝手が悪い..」等、その意味合いを理解されている方は少ないようです。
一般的に「クラウド」とは、データやシステムを自分のパソコンやスマートデバイス等の端末内で保管・利用するのではなく、インターネット上のサーバーに保管・設置し、都度そのサーバー上からデータを出し入れしたり、システムを利用したりする仕組みやサービスの事を言います。
クラウド化された仕組みを活用する事で、会社はもちろん、外出先や自宅など、様々な場所で、インターネットに繋がる環境さえあれば、どこからでもデータを閲覧、編集、登録したり、システムを操作したりすることが可能です。
近年は、スマートフォン等の携帯電話回線でもインターネットに接続する速度が速くなった事もあり、いつでもどこからでも、システムやデータを活用出来る環境が整ってきたため、多くのシステムやサービスがクラウド化されています。
中小企業の仕入れや売上、請求業務等、経営の根幹を管理する、販売管理システムにおいてもクラウド化が当たり前の世の中となってきています。
クラウド化のメリットとデメリット
では、クラウド化によるメリットとはどのようなものでしょうか?クラウドサービスを利用する場合のメリット・デメリットを紹介します。
【メリット】
① サーバー機器を購入する必要が無い
② 契約後、すぐに利用できる(システム構築の必要が無い)
③ ソフトウェアのバージョンアップが自動的に実施される
④ (比較的)低価格で利用できる
⑤ インターネットに接続可能な端末があれば、どこからでも利用できる
従来型のシステムでは、サーバーやソフトの購入または構築、ネットワークインフラの整備や、PCへのシステムインストール等、システムを利用するまでの準備に時間がかかり、また、そのコスト負担も大きく、中小企業のシステム導入・活用が進まない要因となっていました。
クラウド化の最大のメリットは、システム導入・活用のためのコストが削減されることはもちろん、すぐに導入することが可能となった点です。
しかしながら、クラウド化はメリットばかりではありません。主なデメリットは以下の通りです。
【デメリット】
① システムを自社独自の仕様に合わせる事が難しい
② インターネットに接続できないと利用できない
③ クラウド(インターネット)上にデータが蓄積されるため情報漏洩のリスクがある
特に、情報漏洩のリスクについては、心配される経営者も多いかと思いますが、しっかりしたセキュリティー対策が施されたクラウドサービスを選択することで、社内のサーバーやシステムで運用するよりも安全性が高い環境を実現する事が可能です。
また、障害が発生した場合、クラウド上でバックアップされたデータから自動的に復旧出来るサービスもありますので、これまで外部のシステムベンダー等に頼っていたシステム保守等の労力・コストの削減も可能になります。
以上、クラウド化のメリット・デメリットを紹介しましたが、販売管理システムをクラウド化することで、自社の売上や利益といった経営情報はもちろん、販売履歴や仕入れ状況等、営業面で役に立つ情報を出先でも掴めるようになるため、外出の多い中小企業の経営者の業務負担も軽くなり、経営判断の迅速化が期待できます。