販売管理の業務フローを理解する!販売管理の基礎知識まとめ
目次

販売管理とは、卸・製造業の場合、受注・出荷・請求・仕入れ・在庫管理など、販売活動の一連の流れの管理を指します。
適切に商品を流通させ、在庫切れなどのリスクを防ぎ、売れ筋商品を見極めるためには、販売管理の効率化が重要になってきます。ただ、販売管理を効率化する場合、経営者や責任者が販売に関する全体の流れを理解していないと、適切な指示を出すことは難しいでしょう。
そこで今回は、卸・製造業の経営者や責任者が知っておきたい、販売管理のフローや、どのような書類が必要なのかを解説します。
1販売管理のフローは受注・出荷・請求・仕入れ・在庫管理の5つ
販売管理のフロー(流れ)は、大きく以下の5つに分けて考えるのが一般的です。
- 受注管理
- 出荷管理
- 請求管理
- 仕入れ管理
- 在庫管理
それぞれの工程で必要になるスキルや作業の内容が異なります。販売管理のフローに問題が出た際、何が原因でどういう対処をすれば良いのかの判断が必要です。そのためにも、管理者は各フローの作業内容を正確に把握する必要があります。
1-1. 受注管理:見積もり作成~受注まで
受注管理では、商品の注文を受注するまでを管理します。
下記3つの作業で1セットになっています。
- 商品の見積もり
- 契約の取り交わし
- 受注
取引先から注文を受けてからビジネスが始まるため、この管理フローに時間がかかってしまうと注文を逃してしまう可能性が高まります。
1-2. 出荷管理:受注から配送までを速やかに進める
出荷管理は、商品を発送して、相手方に納品を行うまでを管理します。
代表的な作業内容は以下の通りです。
- 受注内容に従って商品の手配や梱包
- 配送するまでの出荷業務
- 契約した期日に遅れないよう納品を行う納品業務
適切に出荷を行うため、受注を受けてからできるだけ早く自社の倉庫等へ連絡し、出荷作業を進めることが重要です。
その際、伝達ミスや指示の出し忘れが発生しないように指示は書面で行いましょう。また、自社の従業員を使って配送を行うのか、配送業者経由で出荷するかによっても手順が変わってきます。
1-3. 請求管理:毎回の取引記録を保存することが必須
請求管理は、提供した商品の代わりに代金を請求する手続きを管理します。
代表的な作業内容は以下の通りです。
- 締め日、請求書必着日の確認
- 受領書の発行・受領
- 請求書のフォーマット確認、発行、請求業務
請求書発行までの流れは、まず取引先から成果物を検品・受領した旨が記載された受領書を受け取ります。
その後、受領書を基に、納品内容から請求業務として請求書を作成し、相手先に渡して請求金額の回収業務を進めます。
例えば、月単位で請求する掛け売り方式を採用しているケースが多い食品業界では、毎回の取引記録を保存しておいて、適切に請求するフローの整備が不可欠です。
請求した金額を取引先がスムーズに支払えるように、請求業務もスピーディに進める必要があります。請求書の発行が遅れてしまうと、取引先に迷惑をかけるだけでなく、入金が翌月以降に持ち越されてしまう可能性があり、そうなると資金繰りに影響を及ぼしかねません。
月末締めの翌月末払いであれば、支払い月の5日頃までに請求書が届くようにしておきましょう。
1-4. 仕入管理:条件に見合った契約書を交わしてから行う
仕入管理は、自社商品の在庫を確保するために部品や原材料などの調達・購入を管理します。
代表的な作業内容は以下の通りです。
- (調達したい部品や原材料の)見積もり依頼
- 仕入れのための購買契約締結
- 発注業務
- 調達した部品や原材料の入庫確認、検収・支払い業務
仕入れ先業者は、価格や納品のタイミングが適切かどうか、安定した供給ができるかどうかなどを基準に選定し、条件が合ったら契約書を交わして仕入れ作業を進めます。
仕入れ先から商品が届いたら、検収を行い商品の品質や状態をチェックしてから在庫管理に引き継ぎましょう。
1-5. 在庫管理:商品の出入りが多いかどうかを確認する
在庫管理は、商品の出入りを管理して適切な在庫数を管理します。
代表的な作業内容は以下の通りです。
- 現在庫数の管理
- 原材料数の管理
- 仕入れ数の管理
在庫は流動的になるケースが多いため、常に正確な数字を把握しておく必要があります。
また、仕入れ管理で仕入れたものが適切に納品されているかどうかなどのチェックも重要です。
2販売管理の各業務フローで必要な書類
販売管理では、各業務を止めることなく流れるように作業を進めることが重要になってきます。
伝達ミスや指示の出し忘れがあると、業務がストップし、納品が遅れてクレームや取引の中止といった事態につながる可能性もあるため、ミスなく業務を進めるためにも各フローで必要な書類を準備しておきましょう。
また、経理や税務などに関連する書類は、7~10年間は保存しておくことが義務付けられているため、作成した書類はきちんと保管するようにしてください。
2-1. 受注管理の必要書類
受注管理には、以下の書類などが必要です。
- 見積書
- 契約書
- 取引先台帳(取引先情報の管理書類)
- 受注伝票(受注の事実を残すための書類)
- 注文請書(取引先から受け取った注文書の受領を報告するための書類)
受注日や納品日、発注金額等の記載をし、トラブルを防ぎましょう。
2-2. 出荷管理の必要書類
出荷管理には、以下の書類などが必要です。
- 出荷指示書
- 納品書・受領書とその控え(商品を渡したことを証明する書類)
- 領収書(現金払いを受けた場合に取引先へ渡す証明書)
- 売上伝票
納品日や納品する商品の数・金額等を正確に記載します。
2-3. 請求管理の必要書類
請求管理では、以下の書類などが必要です。
- 請求書
- 入金伝票
請求書は取引先へ渡す書類ですので、取引年月日や請求額、消費税額、支払日などを記載します。
2-4. 仕入れ管理の必要書類
仕入れ管理には、以下の書類などが必要です。
- 見積書
- 契約書
- 発注書
- 仕入先台帳
- 発注伝票
- 支払予定表
- 出金伝票
仕入れ値や仕入れの数、取引をした日付などの記入が必須であり、場合によっては社内に仕入れの事実を残すため、発注伝票や出金伝票を作成する必要もあります。
2-5. 在庫管理の必要書類
在庫管理では、以下の2つの書類などが必要です。
- 入出荷伝票
- 在庫管理表
在庫管理は、管理する商品の価値低下を防止する業務に加え、搬入・搬出の効率化を実現する目的もあるため、商品の入出庫数の管理や入出荷伝票を用いた適正な在庫数の把握業務も含まれています。
そのため、商品の仕入れや出荷をしたときの伝票を残しておき、棚卸しの準備・管理表を使って帳簿上の在庫数と実際の在庫数を確認する必要があります。
3まとめ
販売管理は、企業が売上を上げ、収益を確保するための重要な管理のひとつです。
経営者や責任者は、業務フローを把握して、適切な指示を出す必要があるため、販売管理の業務フローを十分に理解するようにしましょう。
自社にあった販売管理の業務フローを構築して、売上アップにつなげましょう。