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食品のトレーサビリティ 取組メリットとクラウドを活用した体制構築例

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執筆者:カシオ計算機株式会社 三上哲章

「トレーサビリティ」という言葉は、わが国では2001年に発生した国産牛肉の狂牛病(BSE)感染問題等を背景に、よく知られる言葉になりました。
日本語では「追跡可能性」と意訳される「トレーサビリティ」の定義は国際標準化機構のISO9001でも定められており、ISO9001は食品だけでなく広く工業品にも適用される内容ですが、このコラムでは中小企業における「食品のトレーサビリティ」の取組みメリットと、クラウドを活用した体制構築例について、当社製品による例示も交えて具体的に紹介します。

1食品トレーサビリティとは、「食品の移動を把握できること」

トレーサビリティ関係

画像出所:農林水産省ホームページ「トレーサビリティ関係」ページ

2牛肉と米・米加工品は法律での義務付け

上述の、2001年に発生した国産牛肉の狂牛病感染を背景に「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(牛トレサ法)」が2003年に開始されました。
また、2008年に農薬が残留しているものや、カビに起因する発がん性物質を含む米が不正に流通したことを背景に「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(米トレサ法)」が2010年に開始されました。これらにより、牛肉と米・米加工品については一部の例外を除き、現在、事業者にトレーサビリティの取り組みが法律で義務付けられています。

3食品全般としては取組率が低い

  1. 販売に影響がないため ・・・ 47.9%
  2. 作業量が増加するため ・・・ 37.0%
  3. 具体的に何をすればよいか分からないため ・・・ 29.1%
  4. 消費者からの要望がないため ・・・ 28.2%
  5. 取引先からの要望がないため ・・・ 25.2%

となっています。

4販売への影響可能性

食品トレーサビリティの普及が拡がらないのは、牛肉や米のように法律で義務化されていない一方で、消費者、取引先からも要望されておらず、よって「販売に影響がない」と判断されているためと考えられます。では、本当に販売に影響がないといえるでしょうか?

1つ目の視点は、「万一の場合のリスク回避」です
例えば2007年に発生した冷凍餃子中毒事件のような流通プロセスに自社が巻き込まれた場合、自社が介在するプロセスである原材料・商品の入荷~自社の介在内容~出荷に関する全工程のトレーサビリティが確保できていないと、自社に責任がないことを立証することができません。冷凍餃子中毒事件は日中の政治問題にまで発展しましたが、そうした事案に巻き込まれた場合、社会的に抹殺されてしまうかもしれません。
この観点では、取引先から要請がなくても、万一の場合に備え、積極的にトレーサビリティを確保したほうが望ましいです。

  • 2017(H29)年 ・・・ 24.9%
  • 2018(H30)年 ・・・ 27.9%
  • 2019(H31)年 ・・・ 27.9%

といったかたちで、逆説的に上昇傾向で推移しています。
以下、推定となりますが長年取引があり信頼関係が構築されている既存取引先からは「トレーサビリティ取組みの要望がなく、よって、販売に影響がない」という構図となる一方で、
納入先の取り扱い商品に占める自社製品の取扱割合の拡大を狙う場合や(競合からシェアを奪う)、新規取引先を開拓する場合は、自社にトレーサビリティ体制が整っていることがポイントになり得ると考えられます。

5EZ販売管理によるトレーサビリティの運用例

農林水産省の調査のなかで、内部トレーサビリティに取り組まない理由については、「作業量の増加」「具体的に何をすればよいか分からない」という回答が多いです。
そこでこのコラムでは、ITを活用したトレーサビリティ体制確保について、当社製品「EZ販売管理」を例にご紹介します。

「EZ販売管理」では、ベースの機能として個体識別番号による管理機能を備えています。仕入(入荷)時と、売上(出荷)時の伝票に個体識別番号を入力しておけば、個体識別番号で横断検索ができるという、牛肉のトレーサビリティに対応する機能ですが、この項目は牛の個体識別番号ではなく、“自社の製造番号(17桁が上限)”などでも自由に、運用できます。

EZ販売管理による個体識別番号検索機能イメージ
EZ販売管理による個体識別番号検索機能イメージ

以上、当社「EZ販売管理」を例に、ITツールを活用した食品トレーサビリティ体制の構築例をご紹介させていただきました。ご参考になりましたら幸いです。

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