食品業界の中小企業は「在庫管理」を見直して儲かる会社になりましょう!
なぜ在庫管理を見直すと儲かるのか?
執筆者:カシオ計算機株式会社 三上哲章
「中小企業における在庫管理業務の効率化手順( 2018年07月02日公開)」でご紹介したとおり在庫管理は中小企業で優先順位が低く取り扱われる傾向があります。在庫による経営への影響は、業種別に重要度が異なりますが、特に食品に関わる中小企業においては、非常に取組甲斐のあるテーマです。なぜなら、儲かるからです。
農林水産省が平成30年4月6日に公表した
「食品産業戦略」(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/seizo/attach/pdf/vision-13.pdf)
によると、日本の食品産業は、他の製造業に比べ最低の労働生産性、つまり、「もっとも割に合わず儲からない」産業になってしまっています。販売面では大手スーパーなど得意先の力が非常に強く、売れ残りの返品や、逆に欠品にペナルティーが課されるなどの厳しい商習慣すら見受けられます。生産面では機械化が難しいという制約があります。商品特性として「足が速い」食品産業は過剰在庫と廃棄ロスにも悩まされ、利益を残す難しさが読み取れます。
「食品産業戦略」では、それらを解決しようという行政の後押し意思が強く感じられます。外部環境の後押しがあるなかで、在庫管理を徹底し、過剰仕入れや廃棄ロスを半減させることに成功できれば、安定的に儲かる企業体質を実現することができるでしょう。
売上管理の高度化が必要
在庫管理の高度化には、発注、入荷、仕入、生産、受注、出荷、売上と様々な作業工程の中でも特に受注と売上管理の高度化が必須です。なぜなら、仕入れや生産は売上に備えるものだからです。以下、よく見受けられる例を紹介します。当てはまることはないでしょうか?
- 客先で在庫状況を把握できない
- 客先での受注を、営業担当が全員帰社した夕方以降でないと取りまとめられない
- 得意先指定の納品書など、一部手書きの伝票があり、その売上数量を即座に把握できない
- 在庫管理が、属人化している。担当者のエクセルで管理されている、もしくは頭の中にあり、その人に聞かないとわからない
在庫があわない問題は、多くは受注、売上の情報が仕入や生産担当と正しく情報共有できていないことに起因します。どのくらい売れるか分からないから、仕入れすぎも作りすぎも発生します。改善のポイントは、「リアルタイム管理の実現」「属人化からの脱却」です。
PCソフトでの解決は難しい
多くの中小企業では、パソコンにインストールした販売管理のソフトをお使いだと思います。ですが、この手段の延長線上では、「リアルタイム管理の実現」「属人化からの脱却」は大変難しいと考えられます。
なぜなら、パソコンにインストールされた販売管理ソフトは、そのパソコンの担当者にどうしても「属人」となります。また、外出先から営業担当者がリアルタイムで引当可能数量をのぞくことも難しいでしょう。サーバーシステム化するなどの方法論もありますが、かなり高度なITスキルを要求されるでしょう。高度なITスキルが必要ということは、お金で解決しようにも非常に高いということになります。
クラウドという解決策
そこで抜本的な解決策としてぜひ検討いただきたいのが、クラウド活用による販売管理です。すべての営業担当者が外出先からノートパソコンやスマートフォンからいつでも引当可能数量を確認できるようになります。仕入れや生産の担当者も担、当然リアルタイムで在庫状況を確認できるようになるので、状況に応じて過不足ない仕入れや生産の判断をできるようになります。そして、クラウドはみんなで使うので、属人化ということも起こりにくくなります。
EZ販売管理のメリット
EZ販売管理システムは、外出先で営業担当者がスマホやノートPCからリアルタイムでの在庫状況確認ができる、クラウドのメリットが取り込まれた先進の販売管理システムです。加えて、指定伝票にそのまま入力印刷でき(つまり、一部手書き処理が混在することによる在庫数量の管理もれも解決できる)、当然、仕入管理や在庫管理も行えます。ぜひこの記事でご紹介したポイントも意識して、今お使いの販売管理ソフトと使い比べてみてください。