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納品書の保管期間は何年?会社法と税法で違う保存期間の考え方

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会社間の取引でお客様へ商品を納品する際に発行する納品書は、保管期間が定められているため、法定の期間内は処分せずに社内で保存する必要があります。受領した側だけではなく、発行側も納品書の控えを保存しておかなくてはいけません。また、その保管期間も会社法と税法で異なるため、取り扱いには注意が必要です。こちらでは、その保管期間や管理しやすい保存方法、納品書以外で保存すべき書類についても解説していきます。

1. 納品書の保管期間はいつまでなのか? 

納品書は、作成義務はないものの、税法では7年、会社法では10年もの間の保存が義務付けられています。法律によっても保管期間が異なるため、混乱してしまうこともあるかもしれません。

1-1. 税法では7年、会社法では10年

納品書の保管期間が異なるのには理由があります。税法の場合は、脱税が発覚した際に遡って追徴課税ができる期間、会社法の場合は、民事時効の年数を考慮し、保存義務が課せられています。

1-1-1.税法

税法は、会社が計算書類を作成するのは株主などに会社の経営状態を知らせる意味合いもありますが、納税額を正しく算定するためという意味も持ちます。法人税を正しく納めてもらうために、納品書や見積書、請求書などの証憑書類と呼ばれる書類の保存を義務付けており、その期間は「7年」です。書類の作成日もしくは受領日から起算されます。脱税が発覚した場合に遡って追徴課税ができる期間が7年までであるため、税法では7年の保存義務が課せられています。

1-1-2.会社法

会社法では会社が企業活動をする上で守るべきルールがまとめられており、商取引を安全に行い、円滑な活動を行えるようにすることが趣旨となっています。

会社法ではこうした商取引を安全に行うという観点のもと、納品書をはじめとし、見積書や請求書などは証憑書類と分類され、重要視されています。一定の書類の保管期間は「7年」ですが、重要な書類については「10年」の保管期間が義務付けられており、証憑書類もこれにあたります。会社間取引の商事時効は5年、会社と個人客間の民事時効は10年と定められており、会社法では契約上のトラブルに対応できるよう、時効までの最長期間である10年の保存が義務付けられています。

そのため、納品書は発行後もしばらく保存を続けなくてはなりません。ただし、個人事業主の場合には10年の保存は義務付けられておらず「5年」とされています。

1-2. 納品書以外にはどんな書類を保管すべきか

納品書は、会社が保存すべき書類の一例に過ぎず、納品書さえ保存していればいいというものではありません。他にも長い間保存し続けなければならないものが存在します。

例を挙げると、見積書や請求書、領収書、レシートなども保存しなければなりません。また近年では、電子取引が行われることも多くなっていますが、電磁的方式により電子取引をした場合でも、その電子データは7年間保管しなければなりません。領収書やレシートの他には、総勘定元帳や仕訳帳、売掛金元帳、現金出納帳といった帳簿についても保存が必要です。

2. 納品書やその他書類の保管方法

納品書をはじめ、保管が義務付けられている書類は多く、最長で10年間保存しなければなりません。そのため、紙面で送られてくることの多い納品書やその他書類は保管しているうちにかさんでしまい、紛失のリスクだけではなく、確認すべきタイミングで見つからないことも考えられます。また、2022年1月からは電子帳簿保存法が改正されるため、電子取引の場合は納品書や請求書等のデータを保管する方法に注意が必要です。

2-1. ファイリングして保管する

納品書やその他の書類は、7年や10年という期間が経過することで、数え切れないほど溜まります。そのため、適切に保存をしていなければ、特定の納品書を見つけることが困難になります。書類を山積みにしているような状態では探し出すことは難しくなってしまうでしょう。そのため、書類を分かりやすく保存するために、ファイリングをするのが簡単でおすすめです。最低でも事業年度ごとに分けてファイリングし、保存しておきましょう。

保管書類が大量になる場合、オフィスや倉庫に置き切れなくなることも考えられます。そのような場合は倉庫などを借りて保存しましょう。ただし、会社の信用問題にかかわる書類ですので、セキュリティ面などに配慮して倉庫業者を選択する必要があります。

2-2. レシートの保管方法

商品の購入時に渡されるレシートも保存する必要があります。しかし、レシートの場合、使われている紙の性質により、他の書類に比べて文字が消えやすくなる場合があります。また、サイズも通常の書類に比べて小さく、発行元によってサイズに違いがあるため、保存には配慮が必要です。レシートの保存については、専用のノートを作り、レシートを貼って保存する方法があります。そうすることでレシート同士がこすれて文字が消える可能性も低くなり、後に見直す際にも見やすくなります。レシートを貼る際には、付近のスペースに文字が消えたときのためにメモを記載するのもよいでしょう。

2-3. 月別か取引先別かで違う保管方法

納品書やその他の書類の保存は、事業年度ごとに分けてファイリングするのが基本です。書類の数が多い場合には、年度別でまとめているだけでは管理しにくくなるケースも考えられます。そこで、年度別に分類したものをさらに月別、もしくは取引先別で分類することで探しやすくなり、管理もしやすくなります。月別で分類する場合は、調べる際に発行時期が分かっていれば素早く見つけられますが、毎月の発行量が多い場合は管理に手間がかかってしまうことも考えられます。一方、取引先別に分類する場合は、取引数が少なければすぐに見つけられるものの、取引数が多い場合はファイリング量が増えてしまうため、こちらも管理が大変になります。どちらの管理方法もメリットとデメリットがあるため、その自社にあった方法を選択し、管理していくのがいいでしょう。

2-4.電子取引の場合のデータ保管方法

取引先から来る納品書などの書類がPDF等の電子データの場合は、ファイル名を「取引年月日」「取引金額」「取引先」を含んだ名称に統一し、税務署職員より提出を求められた時に一括ダウンロードできるようにしておく必要があります。また、Excelなどの表計算ソフトで「取引年月日」「取引金額」「取引先」が入力された一覧表を作成し、検索できる状態にしておく方法も有効です。

3. まとめ

ご紹介したように、納品書は税法では7年、会社法では10年の保管期間が設けられているため、一定期間経過しても見返しやすいような保存方法で残しておく必要があります。また、保存する際は事業年度ごとにまとめ、さらに取引数や状況によっては月別や取引先別に分けることもおすすめです。

どのように管理方法するかも重要ですが、自社にあった管理方法を選択し、管理にかかる手間を削減していきましょう。
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