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物品管理とは?重要性や在庫管理との違い、適切な業務フローを解説

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在庫管理は正しい利益を計算するうえでも重要な業務のひとつですが、管理すべきものは商品や商品を製造するための原材料といった“在庫”だけではありません。普段、業務で使用する文具やファイルなどの消耗品、机や椅子などの備品、さらにはパソコンモニターやプロジェクターなどの機材のような“物品”も管理が必要です。そこで今回はこれらの管理に必要な物品管理について、その重要性や適切に行うための業務フロー、注意点などについてお伝えします。

物品管理の概要と重要性

物品管理の重要性を理解するためには、まず企業において「物品」が何を指しているかを把握する必要があります。

物品管理における“物品”とは?

物品管理における「物品」とは次のようなものが挙げられます。

  • 消耗品

ノート、ボールペン、ファイル、電卓など

  • 備品

机や椅子、ロッカー、書庫、時計など

  • 機材

スクリーン、プロジェクター、パソコンモニターなど
上記以外では、OA機器やパソコン、スマートフォンなど、レンタル・リースしているものも物品に含まれます。

物品管理と在庫管理の違い

在庫管理は、商品や製造に使う原材料、仕掛品などの数量・状態・保管場所などを管理するもので、主に経営状態の把握や経営判断に必要になります。これに対して物品管理は、消耗品・備品・機材など業務を行う際に使用するものの数量・状態・保管場所などを管理するもので、主に資産管理や内部統制を目的に行います。
在庫管理についての詳細は、「在庫管理の重要性とスムーズに行うためのポイントを解説」をご覧ください。

物品管理の重要性

利益向上に直結する在庫管理の重要性に比べ、物品管理はどうしても軽視されがちです。しかし、適切な物品管理は、企業経営において非常に重要な意味を持っています。その理由は次のとおりです。

  • 業務の効率化につながる

機材や備品の管理が適切に行われていれば、いざというときに故障していて使えないリスクを避けられます。また、例えば、プロジェクターやスクリーンなど、誰がどこで使用しているか正確な状況が把握できていれば、「別の業務を行う」「その業務を手伝う」など柔軟な対応が可能です。結果として業務効率化にもつながるでしょう。

  • 物品を常に最適な状態に保てる

物品管理を徹底していれば、交換時期や故障時の修理などを適切に行えるため、常に最適な状態で使えるようにしておけます。これにより、例えばパソコンやスマートフォンの誤動作による入力エラーや、強制終了によって業務が滞ってしまうリスクも軽減されるでしょう。

  • セキュリティリスクの軽減・内部統制につながる

いつ誰がどこで使用したかを管理していれば、万が一紛失した際の追跡も容易です。また、紛失したものがパソコンやスマートフォンの場合、情報漏えいリスクが高まりますが、その際にも責任の所在を明らかにでき、内部統制にもつながります。

  • 資産管理も実現できる

物品は鉛筆1本、消しゴム1個であってもすべて企業の資産です。物品管理を適切に行っていれば、資産管理にもつながるうえ、資産を大切に扱うという社員の意識向上にも効果を発揮します。

物品管理を適切に行うための業務フロー

物品管理を適切に行うには、手順を追って進めていく必要があります。具体的には次のような業務フローで進めるとスムーズに行えるでしょう。

1. 物品管理台帳の作成

手書きやエクセル、またはシステムを活用して物品管理台帳を作成します。特に決まったフォーマットはありませんが、記載事項として、「購入日」「品名」「保管場所」「数量」「状態」は必須です。リースやレンタルのOA機器であれば、「交換期限」「リース期間」「保証期間」。会社支給のスマートフォンやタブレットであれば、「利用日・利用者・返却日」などの記載も欠かせません。

また、物品管理台帳は管理をしやすくするため、ルールを作って分類しておくことも重要です。「備品」「消耗品」「機材」などの大分類の下に、「文具」「IT関連」「事務用」などに細かく分類して記載しておけば探す手間が軽減され、管理業務の効率化にもつながります。

2. 物品を分類しラベルの作成/貼付を行う

物品のカテゴリーや使用場面、使用する頻度などによって物品を分類します。分類ごとにラベリングを行うことで、管理台帳での管理や棚卸がしやすくなるでしょう。

3. 物品の配置を決める

分類ごとに管理しやすい配置を検討します。棚に番号や分類名などを記載したり、配置する区域を工夫したりすることで、視覚的にも把握しやすくなります。

4. 棚卸の実施

数量の差異や物品の状態確認のため、定期的な棚卸は欠かせません。机や椅子などの備品は年に1回でも問題ありませんが、機材は故障があると使えなくなってしまうため、物品によって棚卸の周期を決め、同時に動作チェックも行います。

5. 物品管理のマニュアル化

物品は管理者だけが状況を把握していても業務の効率化ができないうえ、都度従業員から問い合わせがあることで対応の手間もかかります。そのため、保管場所や「借りる・返却する」際のルール、持ち出し規定などのマニュアル化を行い、誰もが閲覧できる状態で共有しましょう。

適切な物品管理を実現するための注意点

物品の帳簿と実在庫の差異をなくし、状態の把握を適切に行うためには、次のような点に注意が必要です。

現状の把握

物品管理台帳を作成する際には、現状の把握が必須です。特に、耐用年数が決まっているもの、レンタル・リース商品などの期限を確認するほか、故障しているものはないか、修理に出している機材・備品はないかなど、現状をしっかりと把握したうえで台帳を作成します。

管理する物品の選定

企業規模にもよりますが、社内にあるすべての物品を管理するのは、担当者の負担も大きく現実的ではありません。例えば管理台帳で管理するものを固定資産だけに限定し、負担軽減するのもひとつの方法です。また、エクセルやシステムをうまく活用して管理するのもよいでしょう。

従業員へのルール徹底

消耗品や備品、機材もすべて会社の資産であることを従業員に意識させるには、物品管理のルールを従業員にも徹底させることが重要です。

適切な物品管理は社内の無駄を削減し、従業員の業務効率化を実現

物品管理を行う担当者以外の従業員は、商品や原材料のように直接利益につながらない物品の管理に対する意識が高くないケースもあります。そのため、利用ルールがあってもなかなか守られず、適切な管理ができずに悩むこともあるのではないでしょうか。
そこで適切な物品管理を行うには、まず従業員に対して物品管理のルールを示し、徹底させることが欠かせません。「消耗品や備品の棚卸を部署持ち回りで行う」「返却ルールを守らなかった場合の罰則を作る」など、物品が企業にとって重要な資産であると認識させることが適切な物品管理の第一歩となります。

全従業員が物品管理に対して高い意識を持ち、ルールを守るようになれば、無駄な購入や紛失も軽減し、コスト削減も可能です。そうした意味でも、在庫管理同様、物品管理もしっかりと行っていくことが結果として企業の利益にもつながっていきます。適切に機材や備品の管理を行うことで、業務効率化を実現しましょう。
物品管理に関連するテーマである「在庫管理」についてのコラムもご用意しておりますので、ぜひご覧ください。

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