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創業は1957年という、老舗の釣り糸メーカー・フジノライン。様々な素材に独自加工された商品は確かな品質が評価され、国内はもとより、OEMとして世界35カ国でも広く販売されています。そして社内業務に目を移すと、サイズ違いなど多品目を扱う販売管理は、その煩雑さから以前よりシステム化が行われていました。しかし課題点も有り、さらなる効率化を目指して、2021年に楽一への入れ替えを実施。時短やミス軽減など、狙い通りの成果をあげられています。
渓流から海釣りまで、幅広い商品を製造しているフジノライン。中でも人気を博しているのがフライフィッシングなどで活躍するテーパーラインという釣り糸。錘なしでも飛ばせるように糸が先に向けて細くなっていくのが特徴で、製造に手間がかかるため、全国でも造られているのは5社程度しかないそうです。同社が製造・販売されているのは、こうした高機能商品を中心に全500アイテム以上。一方、お取引先は大手釣具店から問屋、個人経営の商店まで約100社をお持ちです。続いて主な業務の流れを整理すると、メールやFAXなどで発注を受け、在庫のあるものはそのまま出庫へ。無いものは、半製品をカット・パッケージングして商品化し、出庫となります。ボリューム的にも事務処理の負担は大きくシステム化は必須で、3代目の兼松美紀社長は、早くから販売管理ソフトを導入。その効率化に取り組まれていました。しかし、なかなか満足する結果は得られなかったそうです。
「大きかった課題は2点。その一つは大手釣具店指定のチェーンストア伝票への対応です。以前の販管ソフトではその発行ができず、別の伝票発行ソフトを併用する必要がありました。必然的に売上も後で合算しなければならず、二度手間の状態が続いていたのです。もう一つは、商品マスタの扱いづらさですね。JANコードで管理していたため、およそ500アイテム全てがひと繋がりに並んでいたのですが、番号順に追っていくのが意外と大変だったり、拾い出す際に間違いが起きたりするなど、ストレスも結構ありました」
兼松さんはまた「パッケージソフトだけに“もう少しこうしたい”と言うようなアレンジにも限界があって、そうした部分も改善したいと感じていました」と、 以前のご苦労をお聞かせくださいました。
課題解決を目指された兼松社長は、大手のAI OCRソフトなどの導入提案も受けましたが、業務にフィットせず断念。そんな時に、以前よりお付き合いのあった金融機関から紹介されたのが楽一でした。
「実は、楽一のことは以前より知っていたのですが、手書き伝票を初めてシステム化する企業に向けたものと思っていました。しかし、実際に話を聞いてみるとそれだけではない。そこで、カシオの担当者も交えて詳しく相談してみることにしました。例えば商品マスタについてですが、JANコードで追うのが大変で間違いも起きやすいとお話しすると、カシオの担当者は商品をカテゴリーごとに、さらに大分類・中分類と段階的に分類することで、カタログを見るような感覚で商品にたどり着けるシステムを提案してくれました。また、懸案だったチェーンストア伝票へスムーズに対応できることもわかりました。2つ使っていたシステムを1つに統合できれば、手間もミスも大幅に減らすことができる。本当に大きな効率化になります」。こうした打ち合わせを重ね、楽一のソリューションに手応えを感じられた兼松社長は、具体的な検討を開始。2021年9月にWG3とアプリケーションの導入を果たされますが、その決断に迷いはなかったそうです。
「機能的なベネフィットはもちろんですが、費用面でもしっかり納得でき、他社システムとの比較検討に時間をかけることはないと判断しました。また、IT導入補助金が使えることも、背中を押してくれましたね」現在、楽一を使われて約1年半になりますが、兼松社長は当初の大きな課題を順調に解決。具体的には作業時間がそれまでの2/3位まで短縮できたなど、その成果にご満足をいただいているご様子でした。
次に、実際に使い始めてからの楽一の印象についてお伺いしてみました。
「伝票を作成する際、画面横のサポートパネルから得意先の過去の売上データを簡単に呼び出して単価を確認できるのが便利です。得意先によって単価が異なる商品がありますし、セール価格もあるので頻繁に見る必要があるのですが、以前はその度にいちいち得意先名を打ち込んで検索していました。今はその手間がなくなり、とてもラクになっています」
兼松社長は続けて「それに、導入してからでも伝票フォーマットなどが変更できるところも魅力です。後から桁数など修正したい部分が出てきたり、得意先によって“この部分の合計額を印字して欲しい”など要望が入ったり、また最近では新たなフォーマットの伝票が追加されたり、そうした際でもカシオのスタッフはオーダーメイド感覚でできる限り調整してくれる。融通が効く感じで助かります」と話されると、続けて「そう言えば、IT導入補助金の申請も丁寧にサポートしてくださいました。これほど細やかな対応をいただけることはもっとアピールした方がいいと思いますよ（笑）。案外知られていないと思うので（笑）」と、嬉しいアドバイスもいただきました。
また、サポートセンターもお役に立っているようで「頻繁に使っているわけではないですが、頼りになります。どの方が電話に出ても変わらず丁寧に対応してくれますし、必要な場合はリモートでメンテナンスしてくれるので安心です」と評価をしてくださいました。
最後に、楽一に点数をつけていただくと「80点かな」と笑顔の兼松社長。その理由を伺うと「機能やサポートの面はとても良いと思います。楽一は私のほかにもう一人使用しているのですが、そのスタッフも実際に“作業時間が短縮できて、ほかの仕事に手を回せるようになった”と喜んでいます。以前は伝票発行に時間がかかり、そのため出荷が翌日にずれ込むこともあったのですが、今は逆に前倒しで出荷できるものも出ています」とのこと。
そこで100点満点へ残り20点の内容を伺うと「私は生産計画などの経営判断に楽一の管理帳票を役立てているのですが、搭載している種類がとても多彩で逆に見るデータに迷ってしまうことがあるので、その分です（笑）」と率直なご意見をお話しくださいました。
これからも、テーパーラインの品質に磨きをかけたり、少量多品種のオーダーに応えたりなど、大手にできない戦略でブランドイメージを上げていきたいと話された兼松社長。その未来へ向けて、楽一が力強くサポートしていきます。
