有明産にこだわった確かな品質、さらに独自の仕入れが叶えた大手を凌ぐ価格でも好評を集める美浜屋海苔店。今では商社をはじめ箱根・伊豆方面の土産店、道の駅、さらに観光ホテルへも取引先を広げるなど、順調な経営を続けています。しかし、その着実な歩みの中で残されていた課題が、煩雑だった伝票発行などの事務処理・販売管理のシステム化、そして間近に迫ったインボイス制度への対応でした。そこで2022年8月、楽一を導入して業務効率化に着手。導入後わずか半年で、大きな効果をあげられています。
美浜屋海苔店の創業は昭和51年。それから半世紀近い足跡の中で、海苔やお茶から椎茸・鰹節などの乾物まで、徐々に商品が増えていったと話されるのは、2代目となる白石幸泰さん。普段はご家族とパート従業員の方々でお店を切り盛りされていますが、海苔の旬でもあり贈答品のニーズも高まる年末や、伊豆方面への観光客が増える夏休みなどはまさに繁忙期となり、学生アルバイトも動員して注文をこなされているそう。以前は、そうした日々の伝票処理・事務作業が大きな負担になっていたそうです。
「とにかく、請求書が大変でした。毎月おおよそ30件のお客様宛に計400〜450枚の売上伝票を処理するのですが、月末にまとめて作業していたため2〜3日間は夜遅くまで集中しなければならず、結局翌月の3日や4日になってお出しすることもありました。忙しい12月は、毎年お正月休みを使って処理していたほどです。それに、計算はすべて電卓でしたから、やはりミスも出ていました。うちのお客様は皆親切で、間違って安くお出しした時もきちんと教えてくれましたが(笑)。それでもご迷惑をおかけしていたと思っています。」
白石さんは続けて「そもそも請求書発行の前に、売上伝票の作成から面倒を感じていました。注文をいただく都度、3枚綴の伝票へいちいち手書きして、さらに電卓を叩いて計算する。そんな手間も効率化できたらと考えていました」こうして問題が浮き彫りになる中で、白石さんが出会ったのが楽一です。そのきっかけは、実はお取引先にありました。
「うちのお取引先に食品雑貨の企業があり、すでに楽一を使用されていました。そこで詳しく聞いてみますと、10,000点もの商品数を扱いながら、とても順調に稼働している。それに『業務がすごく楽になった』と期待通りの感想も聞けて、それが大きなきっかけです。また同時に、たまたまですがカシオの営業の方と会う機会があり、話が進み始めました」
白石さんは、加えてIT導入補助金の存在も大きかったと話されます。
「今なら補助金を活用することで費用を約6割程度に抑えることができる。これは本当に有り難く、導入決断の一つのポイントになりました。ただ申請がとても大変と聞いていたのですが、カシオの担当者は補助金が交付されるまでしっかり寄り添ってくれて、特別な面倒を感じることなく手続きできました。」
そして2022年8月、いよいよ楽一が導入されましたが、始めの2ヵ月は使用する機能を絞り、伝票も手書き時代と同じフォーマットを使いながら、ムリの無いよう段階を踏んでスタートしました。その効果もあって、スムーズな導入ができたと評価をされていました。
「10月から本稼働しましたが、今までストレスなく使えています。伝票は使い勝手の良いミシン目入りのものに切り替え、しかも画面にその伝票がそのまま表示されるので、入力に迷うこともありません。しかも、お客様の専用伝票まで同じように表示して入力できます。操作性も良くて、80代の父も、自分で楽一を使い伝票発行をしているほどです(笑)。先程お話しした請求書の発行も、今では50%以上も時間や労力を削減できました。慣れてくれば、もっと時短できると思います。」
またミスの防止についても「以前いちばん苦労していたのは、単価や数量を間違えてしまうこと。でも楽一では前回単価を自動で表示することもできるのでそれがなくなり、この点は特に効果を実感しています」と嬉しいお言葉をいただきました。
白石さんは導入効果の高かった業務として、さらに売上元帳と請求明細書の作成もあげてくださいました。
「売上元帳の作成は本当に面倒でした。お客様に請求書を出し終わった後、また同じような内容を夜な夜な書き込んで計算して、忙しい時期にはふた月分溜めてしまったこともあります。しかし楽一では、納品書のデータがそのまま反映されるのでいとも簡単にできてしまう。ラクになったという点では、この元帳作成が一番かもしれません。請求明細書もそうですが、今まで二度手間だった業務がすっきり効率化されて、とても嬉しく思っています。」
また売上伝票の発行が簡単になったため、白石さんは注文された商品を配達にまわる前日にまとめて伝票をプリントしておき、それを予め配達順に並べて出発することで、時間効率が良くなった上うっかり飛ばしてしまうことも無くなったと、独自の工夫もご紹介くださいました。
続いて、導入当初に利用されたという楽一の電話サポートセンターについても、ご感想を伺ってみました。
「利用したのは2回です。最初はメニューの出し方というとても基本的な質問で、2回目は入力ミスをしたまま気付かず作業を進めてしまった時の対処についてでした。どちらもとても良い対応で疑問はその場で解決し、満足しています。しかし、慣れてくればもうお世話になることもなくなると思いますが(笑)」
お話の最後に、これでインボイス制度への対応も心配なくなったと、笑顔を見せてくださった白石さん。また最近は、現在手書き伝票を使っている取引先からシステム化の相談を受け、楽一をご紹介してくださったそうです。
良いものだけを、より廉価で。創業当時からの理念を大切に、取引先とWin-Winの関係を広げている美浜屋海苔店。今では、業務効率化によって生まれた時間を利用し、卸売りだけではなくネットを利用したB to Cの販路拡大も考えられていらっしゃいました。そうした新たな道のりを、これからも楽一がサポートしていきます。