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小規模企業の為の、長く使い続けられる販売管理システムの選び方【③これだけは外せない!小規模企業に求められる販売管理要件10か条の3と4】

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執筆者:ITコーディネータ (認定番号 0094392010C)
武内 靖志

前回は、【これだけは外せない!小規模企業に求められる販売管理要件10か条】の1と2について触れさせて頂き、国の制度変更にきちんと対応できるシステムとして、パッケージ+アドオンカスタマイズを選定すべきという点と、社員全員が使えるシステムを導入して即伝発行システムを採用した方が多くのシステム導入メリットを享受できるという点をお話させて頂きました。今回は、「3.小規模企業の特性に合ったシステム」と、「4.データの訂正などがいついかなる時でも容易に可能なシステムが必要という点について」をお話させて頂きます。


第一話 小規模企業の為の、長く使い続けられる販売管理システムの選び方③

Chapter 1|10か条 3.小規模企業の特性に合ったシステムである事

一概には言えませんが、小規模企業の場合、取引先は自社よりも大きな規模の会社であることが多いと思います。自社より規模の大きな仕入先から商品や原材料を仕入れ、自社よりも大きな得意先に売る、そういうケースが多々見受けられます。
その場合、相手の要望に合わさざるを得ない事が多いのではないでしょうか?
むしろ、相手の要望の大半に応える事を会社の強みとしている小規模企業もあるように思います。
この点が他の規模の企業には少ない小規模企業ならではの特長です。
取引先はいつも無理難題を押し付けてきます。

【納期の問題】
①今すぐに持ってきてほしい

【売上単価の問題】
②この期間の価格は〇〇円だけ値引きして欲しい。翌月その分の単価を上げても良い

【締日等の問題】
③今月から20日締めを末締めにして欲しい
④この伝票だけ翌月回しにして欲しい
⑤今月だけ1月20日と末日と二回に分けて請求書を出して欲しい

【入金の処理の問題】
⑥請求書はそのままで良いが、支払は、明細単位で行いたい。具体的には1月20日の取引の5件と27日の3件は翌月に再度請求して欲しい

【納品書・請求書の書き方の問題】
⑦これからは今までの請求書に注番を追加で記入して欲しい
⑧これからは商品の納入単価だけではなく上代(定価)も記載して欲しい
⑨納品書には数量だけ記載し単価や金額は未記入にして、請求書の時に単価と金額を印刷して欲しい
⑩今まで統一伝票だったが、今後は得意先(自分たち)の決める指定様式の伝票に変えて欲しい
⑪頂いた請求書で合計はいいけど、それぞれ学級単位で分けて出して欲しい
⑫今月100個納品してもらったが、60個はA部門に40個はB部門に付け替えして欲しい

まだまだたくさんあると思いますが、こういう取引先の要望に対して、柔軟に対応する為には、販売管理システムにも柔軟性が求められます。その時に心得ておかねばならない点が2点あります。

●小規模企業の経営者自身が、長年の間この習慣で事業を継続し、事務処理もこれらに対応してきたので、それが普通だと思っている事。
●全ての得意先が同じ対応や同じ様式で作成するのであれば大きな問題にはならないが、一部のもしくはある特定の得意先だけの要望であった場合、システムも得意先単位で個別に対応していかねばならないという点

システムというものは、大量のデータを同じ基準で高速に処理するのが得意な反面、個別に異なる対応を行うのはどちらかというと苦手です。その場合、得意先単位で異なるやり方に対応する個別システムを構築しておかねばなりません。
でも自分たちが今までやってきた事なので、今回採用するシステムもできて当たり前と思っていたら、いざ運用を開始した途端、あれもこれもできない!と慌てる事のないようにして頂きたいと思います。

①については納期の問題です。すぐに持ってこい!ですから、その場で納品書を作成して即座に届けなければなりません。この問題は、前回お話した営業全員、社員全員がデータ入力できる事で対応可能になります。
②については単価の問題です。売上単価は複数持てることが絶対条件ですが、このケースを対応するためには得意先別商品別の単価履歴を記憶していて、確かにこの時に特値で売ったことが次回入力時にわかるようなシステムが望ましいと思います。そうしないと、前月に値引きした分を上乗せするのを忘れてしまう恐れがあるからです。
③④については、締日に関する問題です。月の半ばであろうといつでも締日変更に対応できること。伝票単位で来勘(帳端)という翌月回しの処理が簡単にできるシステムが必要です。
⑤についても同じですが、短期的でも締日を複数設定できて、1日~20日、21日~末日の2つの処理が可能となるシステムが望ましいと言えます。また、中には得意先が農家などのように、盆暮れ請求といって年に2回だけ請求して欲しい、それも締日はその年によって異なるといった締日の決まらないという運用が必要となって、通常の中規模企業向けの販売管理システムでは難しいという場合もあります。そういった場合には、締日単位で請求するのではなく、伝票日付を自由に範囲指定して請求期間をその都度指定できる便利なシステムもありますので、そういう融通性のあるシステムを選択して頂きたいと思います。
⑥については学校や官公庁に納品している会社によくあるケースです。請求書はそのままで良いが、支払は各売上明細単位で当月支払うものと翌月回しのものに分かれるという支払方法で、各明細単位で入金の消込が行えて、未入金分を翌月の請求に加算するという機能です。
⑦~⑩については得意先単位で売上入力の方法や出力様式を変える機能です。
例えば、得意先ごとに異なる指定伝票などに対応しているシステムなどは、これらに対応可能です。
ホテルや役所に納入している小規模企業の方の中には、全部で50以上もの指定様式があって、売上入力とは別に指定様式を手書きしているという事例もお聞きしました。こういう方は指定伝票対応システムを導入することをお勧めします。その得意先ならではの独自入力項目や計算式なども設定できるものもあります。
⑪⑫については、次章Chapter2のデータの訂正などがいついかなる時でも容易に可能なシステムで詳細を述べさせて頂きます。
小規模企業の方は、取引先の無理難題に柔軟に対応しようと努力している小規模企業が多いようです。
先ほども申し上げたように、柔軟に対応するためには、販売管理システムも柔軟に対応できるシステムでないと取引先の要望に応えるのは難しいと思います。法律違反はまずいが、仮に会計原則から逸脱していても要望に応えざるを得ないという場合もあるとお聞きしています。
すなわち、小規模企業にとって求められる販売管理システムの絶対的な必要条件とは、

●社員全員で使えて、
●単価・締日・請求単位・請求期間・入金処理体系などが柔軟に設定・運用できる事
●伝票様式も含めた得意先単位の入力項目や出力項目が自由設定できる事
●データ修正の容易さなど

融通が利くシステム・柔軟に対処できる自由度の高いシステムと言えるのではないでしょうか?
メーカーの中には、小規模企業向けと謳っているシステムもありますので、どこが小規模企業向けなのか?聞き出し、先述した対応が可能かどうかチェックして頂きたいと思います。

Chapter 2|10か条 4.データの訂正などがいついかなる時でも容易に可能なシステム

請求書を発行して得意先に送付した後、出し直しを要求されることがあるのではないでしょうか?
上記の例の
⑪“頂いた請求書で、合計はいいけど、それぞれ学級単位で分けて出して欲しい”とか、
⑫の例の“今月100個納品してもらったが、60個はA部門に40個はB部門に付け替えして欲しい”など、それだけではなく、相手先、部門、商品名、数量、単価、金額の全ての項目において訂正を要求されることも多々あるようです。
それが当月内ならいざ知らず、月を跨いだり、何か月も経った後に10月度のあの請求書の商品Aの納品数量全部を別の得意先に変更して欲しいなんて無茶な注文をされることもあるようです。

小規模企業の場合、得意先の要望には極力応えてきた歴史があると思います。自社のシステムでは難しいと断れないケースが多く、前月データを訂正する時には

●手間暇をかけて削除して再入力をして、得意先の要望に応えてしまったり、
●データはそのままにして、表向きだけ作成して印刷のみ行い保存しないなんて使い方で運用したり、
●手書きで再作成したりなど、


いくら理不尽な要求であろうとも、得意先の希望にはできるだけ応えようと苦労されているとお聞きします。
こういう極端な例は極めて稀な事としても、請求書発行後の訂正や再作成依頼は、こちらが間違ったケースや先方の勝手な?要望も含めて、年に何度もあるのではないでしょうか?
そんな時、システムによっては、月を跨いだ修正は基本的には不可能で、前月分の修正は、修正するデータを当月マイナス入力して再度正しいデータを打ち直す事を要求するシステムもあります。
これでは、翌月の請求書に前月修正したデータが混ざってしまい、非常に見づらい請求書になってしまい、その分前月請求書も今月請求書も手書きと併用したりするなど手間暇が何倍もかかってしまう事もあります。
従って、入力したデータの修正は前月分であろうと何か月も前のデータであろうと、いついかなる時も自由に訂正削除再発行が可能なシステムが必要となるのです。
小規模企業に求められる販売管理システムは、自社の業種によって異なるというよりも、得意先の業種が何なのか?によって左右されるケースが多いように思われます。

上記のように得意先の業種によって求められる事務処理形態が異なるようで、そこで必要となってくる販売管理システムの機能も。皆様方がどのような得意先に商品を販売しているかによってそれぞれ異なります。
私見ですが、自社の業種に特化したようなシステムより、融通の利く業務主体で作られたシステムの方が小規模企業向けと言えると思います。

Chapter 3|小規模企業の為の長く使い続けられる販売管理システムの選び方③のまとめ

  1. 小規模企業の取引先は、自社よりも大きい規模の会社が多い
  2. 自社よりも大きいので、取引先の要望には極力応えなければならない事が多い
  3. 取引先の急な要望に対応できることを自社の強みとしている小規模企業も多い
  4. 取引先の無理難題に柔軟に対応するためには、柔軟に対応できる販売管理システムを選択する必要がある
  5. 柔軟に対応できるシステムとは、社員全員で使えて、請求期間や締日などがいつでも変更できるとともに、得意先の指定する伝票にも合わせられるなど、ガチガチなシステムではなく融通の利くシステムの事である
  6. ある程度の期間経過後に請求書の修正を要望してくる得意先もあるので、いついかなる時でもデータ修正が容易に可能なシステムが望ましい
  7. 小規模企業向け販売管理システムと謳っているシステムのどこが小規模企業向けなのか聞き出し、自社の事務の流れに適合しているかチェックすることが大切である
  8. 小規模企業に求められる販売管理システムは、自社の業種よりも、得意先の業種によって運用が左右されるケースが多いので、その視点から使い勝手の良い業務システムを選択すべきである

いかがでしょうか?
今回は、【これだけは外せない!小規模企業に求められる販売管理要件10か条】の3.と4.について、小規模企業の特性に合ったシステムの条件とは何か、データの訂正などがいついかなる時でも容易に可能なシステムがなぜ必要なのかについてお話しさせて頂きました。

次回は【これだけは外せない!小規模企業に求められる販売管理要件10か条】の、
5.自社のITリテラシー(IT機器やシステムを使いこなす力)に見合ったシステム
6.今、行っている販売系の事務作業について、できるだけ全てシステム化できる事
という点についてお話させて頂きます。
どうぞご期待ください。


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